「レトロと廃墟の間のぬるトロ温泉」千鹿谷鉱泉旅館
埼玉県秩父市には秩父七湯と呼ばれる鉱泉があります。
その七湯のうちの一つで、最古の
千鹿谷(ちがや)鉱泉
実はここ、去年に館主が他界されて以来休業していましたが
コロナ禍もあって営業存続は難しいと判断され、
450年の歴史に幕を下ろしました。
七湯の中でも
ここは塩素消毒なく湯の良さから密かに人気があって
惜しむ声はたくさん・・・
8月末か9月頭に取り壊しを行うのだそうですが
その前に8月22日まで温泉を開放し
温泉にも入ることができると聞いたので
惜別してきました。
事前に解体のお話を聞いてはいても、
この張り紙は現実を改めて知らされ、心痛かった。。。
入ってすぐにメモ書きのノートがあります。
そして無料開放とはお聞きしていましたが
ボイラー代だってかかっていると思うし
貴重な湯に入らせていただけたことに感謝を込めて
もともとの料金を下駄箱上の引き出しに
お支払いさせていただきました。
女将さんは別のところに住んでいらっしゃるのだそうですが
タオルがずらりとかけられています。
そして
埃がたまっているというわけでもありません。
どなたもいらっしゃらなくて・・・
最後だし
ちょっと男性の湯も見せていただきました。
そして女性の浴槽へ。
木の蓋を外し入浴しました。
レトロなタイルがこれまで刻んできた歴史を感じるなぁ
そして
相変わらずヌルヌルでトロトロの湯だなぁと。
じっくり湯浴みしていると
じわじわ汗が滲んできます。
分析表は見たらないし
何しろ無人なので確認はできなかったけど
源泉は14℃くらいで
硫黄もなんとなく感じたので、単純硫黄冷鉱泉かな、と。
そして蛇口から出る水は、
おそらく鉱泉かなぁと思ったのでした。
マニア向けの温泉です。
でも
こういう温泉が減っていくのは寂しいなぁと思います。
聞いた話ではありますが
解体後にすぐではないかもとのことですが
浴槽を作るというお話を耳にしたので
この姿ではないけど
温泉は楽しませていただける、かもと。
再会できますように。
*分析表の掲示はなく
*公式の電話番号は現在使用されていません