田沢温泉ますや旅館宿泊記|藤村ゆかりの宿で極上ぬる湯と地酒堪能 | 現役アナウンサーの温泉専門家 植竹深雪

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田沢温泉ますや旅館宿泊記|藤村ゆかりの宿で極上ぬる湯と地酒堪能

去年くらいから『登録有形文化財に指定された湯宿』が注目を集めていますね。

テレビの情報番組を見ていても
近頃の雑誌の特集企画を見ていても。

ジブリ映画を彷彿させるからだとか
昭和ブームで懐かしいものに惹かれがちな昨今からなのか?

はっきりとした理由はわからないけど、
予約サイトをみてもとにかく人気!

四万温泉のあそことか
渋温泉のあそことか・・・

歴史的建造物、
今では見られない建築様式で
職人さんのこだわりと遊びゴコロを見て感じることができて

しかも名湯でもあるので、極上の湯も待っているなんて。

確実に楽しめるし、シアワセな湯旅時間となりそうですよね。

わたしも一昨年くらいから少しずつ、改めて再訪したりして泊まり直しています。

😊

今回ご紹介したいのも再訪の湯宿。
でも以前は日帰りでの利用だったので泊まるのは初めて。

東京駅から長野県上田駅まで上越新幹線で1時間20分くらい。
そこからレンタカーを借りて30分くらいで到着という
東京からサクッと非日常世界の扉を開けられるワケです。

 

田沢温泉高楼ますや旅館

 

ここは湯の良さはもちろん、
おもてなしも季節のお料理も、そしてハンパないお酒の種類がある地酒も、

めちゃくちゃよかった!

ここは泊まらないと魅力はわからなかったなぁというところで。

…もっと早く泊まっていればよかった

 

食事やお酒のレポが探してみても少ない気がするので、
(行って社長に聞いて納得したもん、聞かないとわからない)
このブログでは、お食事やお酒の種類が豊富でサイコーな理由も
極上ぬる湯と共にまとめたいと思います。

ますや旅館の特徴

♨️島崎藤村ゆかりの湯宿で国の登録有形文化財に指定

♨️館内やお部屋で建築美にうっとり

♨️極上ぬる湯を存分に堪能できる環境

♨️実はご主人のお酒のこだわりがハンパなくて地酒もかなり豊富

館内の様子

ますや旅館は、島崎藤村の「千曲川のスケッチ」にも登場する湯宿。

こちらの湯宿にて、豊かな詩情を描かれたのだそうです。

白壁の土蔵や入母屋造りが素敵で
勾配のかかった屋根が美しい高楼が目を惹く木造和風の老舗旅館は
まず目の前の坂を上がり
玄関入った瞬間からときめきました。

チェックインは15時から。

温泉は宿泊者限定の貸切風呂もあるし
宿泊するとお得に利用できる共同湯“有乳湯“もあるので
ここは早めのチェックインができることが理想的じゃないのかな、と。

わたしも早めにチェックイン。

宿帳を記入したあと
素敵な若女将さん(娘さん)にお部屋へとご案内いただきました。

入ってすぐに、まずかわいい階段にときめきました。

とても味のある階段。

この高さの階段も
今ではなかなかお目にかかれないものですね。

ノスタルジーな気分に浸れます。

お酒ラバーな方ならば

置かれているシャンパンの瓶やワインの空瓶にときめくんじゃないのかなあ。

わたしは釘付けになり、
夕食の時間がとても楽しみになりましたよ。

ご案内をしていただき、
美しくお手入れされている廊下を進んで、

この日お世話になるお部屋へ。

客室五十一

東村が逗留したのは明治32年。
そのお部屋が当時のまま残っていて今も使われれているというのもとても気になったけど

ますや旅館でもとても人気があるこちら、
客室五十一に投宿できたのはかなり感激でした。

窓からの景色はここが一番素晴らしいのでは、と思うのです。

こちらの湯宿様、
お酒類の持ち込み禁止で、館内に自販機も見当たりません。

結構しっかり見たけどなかったので実際自販機でお酒も置いていないと思います。

 

そうそう、

持ち込み禁止なので要らないでしょ?という事だからかなあ。
客室内に冷蔵庫はありませんでした。

ちょっとした空間も美しい。

景色も素晴らしい。

アメニティやお茶は用意されています。

お茶だけではなくてコーヒーもありましたよ。

そして客室内でWi-Fiもバッチリ。
速度も出ていました。

しみじみ・・・
職人さんの技が光るし
シンプルさもぐっとくる美しさ。

見惚れます。

お茶いただいて、
温泉もいただきに行きましょう〜

宿泊者限定家族風呂

以前立ち寄りで入浴はさせていただいたことはあったけど
貸切の家族風呂は宿泊しないと入れないので・・・

ここははじめまして、でした。

……湯ヲタさん垂涎の浴室でしたよ。ここ。

湯がサイコーだった!マジで。

“名湯は下にくだれ”の格言どおり、と申しましょうか。

この階段下には極上湯が待機しています。

ワクワク。

お水、水分補給もかなり大事ですよね。

嬉しいサービスです。

家族風呂は2つあります。

見比べると大きさが違うし、
湯に浸かりながら見ていると湯の投入量も違いましたよ。

約36℃くらいの体温くらいの不感温浴。

フレッシュな湯、1号源泉が掛け流し。

ちょっとキシみを感じ、収斂感もある湯。
でもやさしくて包容力みたいな、真綿に包まれたかのようなぬる湯が

ものすごーーーーーーーく気持ちよくて。

昇天。

このあと大浴場にも行きましたが
結局入り比べてみるとここの家族湯のぬる湯が特に湯のよさを感じたのでした。

からだのコリがほぐれ、
ほっと癒されて。
そして美肌に。

大浴場は家族風呂とは離れたところにあります。

ノスタルジーさを感じる廊下。

でもピカピカに磨かれています。

男女別大浴場

もちろん大浴場も浸かりました。

ここも湯に浸かると、
からだがよろこんでいるというのを実感できましたよ。

ほんとほどける〜〜

すぐ近くの共同湯有乳湯ほどではないけど
でもたまにフレッシュなアワアワも見られたし
やわらかな湯が心地よくて。

ここもゆっくり浸かれる〜〜

と思っているとじわじわ汗ばんできました。

次は露天風呂へ。

ぬる湯を求めていたし
8月で夏だったけど攻撃的な虫もいないし
快適な湯浴み。

いいわぁ〜ほんと。

明るい時間も
星空を眺めながら浸かれる夜も

まったりぬる湯が楽しめる露天風呂も至福のひとときでした。

シャンプーバーほどではないけれども
結構シャンプーはドラッグストアものが多く並んでいました。

温泉情報

●泉質;アルカリ性単純硫黄泉

●泉温;1号泉 34.6℃ 2、3号混合泉40℃ (使用位置40℃)

●pH 9.6

●成分総計;0.1980g /kg

※冬季(10月から5月は加温)

夕餉

楽しみな夕餉の時間になりました。

18時過ぎ、18時15分〜一斉スタートです。

あちらこちら。

お酒関連の資格取得の証がずらり。

 

・・・あら。日本酒きき酒師はわたしと番号が近いかも。

 

😊

 

お酒のラインナップ、さらに楽しみになりました。

まずは生ビールからいただくことにしました。

それではいただきます。

かんぱーーい!

\(^o^)/🍺

創作の郷土料理の数々。

やさしさが五臓六腑に沁み渡る〜〜

 

枝豆と鰻の茶碗蒸しも
馬刺しもおいしかったけど
八寸などで使用された地酒の酒粕を使ったお料理も感動の逸品でしたよ。

ビールの後はやはり地酒がいただきたいなと思って。

なんだかんだ日本酒を見せていただき自分で選びました。

好みドストライクでシアワセ〜〜〜!

 

ですが。

日本酒のメニューをと思ったら
日本酒のメニューが実はなかったのです。

 

なぜ?

 

何があるのか知りたくて若女将さんに聞いたら、
ざっくり辛口か甘口か聞かれて。
おすすめをお持ちします〜みたいなことを言われたのですが
わたしはどんな日本酒があるのか知りたかったので何があるのかと思い、さらに突っ込んで聞きました。

だって気になってしまったのですもの。

すると

やはり種類がかなりあるので好みに刺さりそうなものを、ということなんですね。

でも、なんとなく、

「具体的な銘柄を教えていただけますか?」と粘るわたし。

すると若女将さんが

「種類が実はとにかくあるので、お好みをご用意します」と変わらないご返答。

むむむ。
ますます気になるんですけど。

 

でも具体的な名前が出てこないのでわたしから

「では長野ですし裏佐久の花みたいな日本酒が飲みたいです」と若女将さんにお話すると・・・

すぐにご主人様が登場しまして。
日本酒を詳しく説明し、そして提供してくださいました。

さらに

「裏佐久の花をご存じなんですか?」と。

ご主人のお酒談義スイッチ、オン。w

そこから日本酒談義に花も咲いてしまい
あれこれお話を伺うことができました。

 

😊

 

なるほど。

確かに少ない人数でお食事を提供しているワケだし
とはいえ日本酒はたくさんあるのならお客さんは知りたいし飲みたい。

いちいち日本酒のメニューを書いて
そのお好み通り振る舞っていたら確かに余計仕事が増えてしまうし
日本酒バーではないから開けたら早く飲みきらせたいものだからむやみに開けたくないよね、と。

メニューがない理由もなんとなく納得。

 

さらに

 

なぜご主人がお酒に詳しいのかというのはずらりと並んだ認定証も物語っていたけど。

でも、
そもそもこんなにワインも日本酒も資格を取ろうと思った背景はなんだろう?と
ふと思ってしまったのです。

ご主人から直接お話を聞いて、理由がわかりました。

 

以前はホテルオークラに勤務されていて
日頃から財界人やVIPのみなさんにサービスをしていたお仕事を
宿に戻る前まではされていたのだそうで・・・

だからソムリエ取ったりきき酒師も取られたのか、と。

その後地元にもどり
上田はもちろん、長野のお酒を盛り上げようとご尽力されていらっしゃるとのこと。

ああ。

だからワインも日本酒も地酒が豊富なのね、と納得。腹落ちしました。

 

と話長くなっちゃったけど
そんな背景もあってかなりレア酒がザクザクあります。

もちろん写真以外にもほんとにたくさん。

中でもこのピンクのレア酒がかなり好みに刺さりまくりました。

ウマあ〜〜〜い!

フルーティーだけど酸味も控えめにあって。
ものすごくバランスがよかった!

「飲み残したらお部屋でもどうぞ〜」byご主人

え。

そうですか。
そうですか。

( ̄∀ ̄)

ならば心置きなく飲みたい日本酒をいただいてしましましょうと、
またオーダーしてしまいました。

 

 

ほんと、レア酒がザクザクあるので楽しい。

 

でも・・・
本当はもっとあれこれ飲みたかったなあ。

一人だとこれが限界。

次回は日本酒ラブなお友達に声をかけて再訪しようっと。

お夜食

地酒とお食事をちびちびいただいていたのでかなり腹パン。

なのでデザートはお残ししたらお部屋に若女将さんが運んでくださいました。

 

お部屋に戻って程なくするとお夜食と食後のデザートが届いて。

やはりすぐには食べられなかったけど
休んで温泉に入ったりしたあと、2時間くらい経ったら食べたくなり
全ていただきました。

スイーツもとてもおいしかったな。

 

飲み残しの日本酒と合わせていただきました。

 

酒器もいちいち変えてくださり
素敵に演出していただいて。なんだか恐縮でしたよ。。。

 

販売機がなく
お酒持ち込みNGでも

夕食時や夜遅い時間でなければ豊富なお酒をオーダーできるというのも
かえって魅力なんじゃないかな、と。

あえて飲み残してちびちびお部屋で余韻に浸りながら地酒をいただけるのも至福でした。

文化財の湯宿のライトアップされたお姿って本当に素敵!

日本酒をちびちびいただきつつ
しばらく夜の美しいお姿をずっと見ていました。

朝食

朝ごはんの時間になりました。

朝は8時から一斉スタートです。

 

朝もあっさりのお鍋が登場。

納豆や温泉玉子といった朝ごはんの定番は並んでいなかったけど
ご飯のお供はどれも美味でした。

なかでも発酵食品の醤油豆が
納豆感覚で、納豆ラバーにはたまらない!!

かわいいしきれいな娘さん、若女将さんに見えなくなるまで
お見送りしていただきました。

 

帰りたくないなあ。

 

でも

また再訪できるように明日から頑張ろう。

感想・まとめ

島崎藤村ゆかりの湯宿で、
明治期の木造3階建てが今も現役で残り
合計6棟が登録有形文化財となっている湯宿。

今回は高楼の木造建築を一望できる「客室五十一」にて
癒しのひとときを過ごしましたが、ひとこと。

 

思っていた以上にものすごくよかった!
泊まってよかった!!

 

湯の良さは日帰り利用したことがあったから多少知っていたけど
ここは泊まってゆっくりと、1号源泉を堪能できる家族湯をたっぷり湯浴みして、
からだが歓喜しているのを実感。

ほどける。
とろける。
そしてからだがすっきり!

 

そしてお食事も創作のお料理がどれもおいしかったけど
やはり好みに刺さる地酒とのペアリングは
この上ないシアワセ!

 

泊まってみて本当によかった。

 

日本酒好きな方はもちろん
ワインも豊富なので
お酒をこよなく愛する人でよき湯を堪能したい、
そして文化財の湯宿に泊まってみたいという方にぴったりの湯宿だと思います。

 

長野の地酒ラブの方にここは激しくオススメ〜!

 

ただし近くにコンビニがないと辛いという方や
持ち込みのお酒がないと夜もおちおち眠れないという方だと
こちらの湯宿はミスマッチかもしれませんが・・・

 

知る人ぞ知るよき湯宿。

 

登録有形文化財の湯宿で、
ところどころ当時の職人さんの匠な技と遊び心を感じられることって尊いし、
若女将さん、そしてご主人(社長)の丁寧なおもてなしもかなり心に響く・・・

 

しみじみ。
素敵な湯宿で過ごした至福のひとときでした。

 

ぬる湯だし非加熱の時期が理想だけど
松茸もものすごく人気とのことだし
春の山菜もめちゃくちゃ気になるので・・・

 

よきぬる湯と季節の旬菜とレアな地酒をいただきに
再訪します!絶対来年も行きたい!!

 

おまけ

田沢温泉に行ったのなら、
ぜひここへ行ってみて欲しい共同湯、

 

有乳湯

 

 

以前より少し湯温が上がったとはいえ
ぬる湯でフレッシュなアワアワ、
たまご臭がしっかり香る湯がサイコーすぎる!

 

 

わたしは大好きすぎて
これまでの人生で10回以上浸かっています。

大好き。

もともと大人200円とリーズナブルだけど
ますやで前売り券のような券を事前購入すると100円で入ることができるのです。

宿泊したらセットでぜひ。

住所 長野県小県郡青木村田沢2686
tel 0268-49-2001
WEB https://www.masuya-1ban.com/
日帰り入浴 10時〜20時
大人500円 (*要問い合わせ)
一人泊 可能

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